レーザー・光脱毛の副作用
やけど・色素沈着・日焼け肌のリスク
レーザー・光脱毛は基本的に広く行われている施術ですが、論文にはやけど・色素沈着(や色抜け)、目の周りでは前部ぶどう膜炎などの眼合併症の報告があります。とくに日焼け直後の肌・もともと濃い肌色では有害事象が報告されやすい傾向。だからこそ信頼できる施術者・肌質に合った機種選択・日焼けを避けることが大切です。
このレビューは、光・レーザー脱毛に関する104本の論文を集めて、報告された有害事象を整理したものです。皮膚の合併症(熱傷・水ぶくれ・色素沈着や色抜けなどの色素異常)と、顔まわりで問題になりうる眼の合併症(前部ぶどう膜炎・虹彩炎など)の両方が取り上げられています。個々の効果の大きさ(何%減るか、といった数値)を示すものではなく、「どんな有害事象が、どんな条件で報告されているか」を質的に整理したものです。
熱傷・色素異常の報告
メラニンが光を吸収
前部ぶどう膜炎・虹彩炎の報告
脱毛の光は、毛や肌の色のもと「メラニン」に吸収されて熱に変わるしくみです。狙いは毛のメラニンですが、肌のメラニンが多い(=日焼け直後や、もともと濃い肌色)と、肌側でも光を吸収して熱がこもりやすくなります。これが、やけどや色素沈着・色抜けといった色素異常が報告される背景です。だからこそ「焼けた肌に当てない」ことが、トラブルを避ける基本になります。
目の周りの照射で報告される「眼合併症」
顔、とくに眉やまぶたの近くを照射するケースでは、レビューは前部ぶどう膜炎や虹彩炎といった眼の合併症の報告を整理しています。目は光に敏感で、まぶたを通しても影響が及びうるため、顔の脱毛では適切なアイシールドなどの保護と、経験のある施術者のもとで受けることが重要とされています。まぶたの内側など、目に近い部位のセルフ照射は避けるのが無難です。
- 日焼け直後は受けない:肌の状態が落ち着いてから。屋外活動が多い時期はとくに注意を。
- 肌質に合う機種・設定を選ぶ:濃い肌色でも扱える機種があります。施術者に肌質を伝えて相談を。
- 目の周りは保護と経験者を:顔の照射は自己判断で目に近づけない。
「濃い肌色」でも施術はできるの?
「地黒だと脱毛は無理?」と心配する人もいますが、そうとは限りません。有色人種(濃い肌色)の顔の多毛に対してIPL(光)を用いた後方視的な報告では、この集団でも施術が行われ、有効性・安全性の面で前向きな方向が述べられています(具体的な数値は示されていません)。ポイントは、肌質に合わせて機種や設定を選べるかどうか。だからこそ、機種の違いを知っておくことが役に立ちます。
今回の2本は、いずれも「何%効く・何%安全」といった数値を断定するものではありません。Mallatのレビューは報告された有害事象を整理したもの、Deshpandeの報告は濃い肌色でも施術できるという方向性を示すものです。「絶対に安全」でも「危険だからやめるべき」でもなく、条件しだいでリスクが上下する——そこを踏まえて、施術者とよく相談するのが賢い読み方です。機種ごとの向き・不向きはレーザー機種の比較(関連記事)もあわせてどうぞ。
よくある質問
Q日焼けした肌に受けても大丈夫?
Q色黒(地黒)だとリスクが高い?
Q脱毛で目に影響が出ることはある?
- レーザー・光脱毛は広く行われる一方、やけど・色素異常・眼合併症の報告がある(104論文のレビュー)
- 日焼け直後・濃い肌色では有害事象が報告されやすい傾向(数値ではなく方向性)
- 濃い肌色でも施術は可能との報告あり。カギは肌質に合う機種選択
- 大切なのは信頼できる施術者・機種選択・日焼け回避。医療脱毛は医療機関で
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の施術・化粧品・治療の効果や安全性を保証するものではありません。医療脱毛は医療機関で行われる医療行為です。やけど・色素異常・目の不調など気になる症状がある場合は、自己判断せず医師にご相談ください。
参考文献
- 1. Mallat F, Chaaya C, Aoun M, Soutou B, Helou J. Adverse Events of Light-Assisted Hair Removal: An Updated Review. J Cutan Med Surg. 2023;27(4):375-387. doi:10.1177/12034754231174852. PMID: 37272371. PubMed
- 2. Deshpande A. Efficacy & safety of intense pulsed light therapy for unwanted facial hair: a retrospective analysis in skin of color. J Cosmet Laser Ther. 2021;23(5-6):116-121. doi:10.1080/14764172.2021.2009875. PMID: 35038966. PubMed
出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。本文には、原著が数値で示していない効果量は記載していません。