日焼け止めって本当に意味あるの?
塗るだけで"老化"が変わる、論文でわかる結論
毎日日焼け止めを塗っていた人は、気が向いたときだけ塗る人より、4.5年後の肌の老化(シワ・キメの崩れ)が24%少なかった——オーストラリアで約900人を対象に行われたRCTの結果です。さらに同じ集団の追跡では、浸潤性メラノーマ(悪性度の高い皮膚がん)も少なかったと報告されています。日焼け止めは「気休め」ではなく、数字で差が出る対策です。
ポイントは、これが「日焼け止めを塗った人の感想」ではなく、塗る群・気が向いたとき群にくじ引きで分けて、評価者が割り付けを知らずに肌を判定した厳密な試験だということ。美容の話題でここまで質の高い証拠がある対策は、そう多くありません。
(95%CI 0.59–0.98)
(毎日群 vs 随時群)
浸潤性メラノーマは、毎日群で3件、随時群で11件でした(ハザード比0.27、95%CI 0.08–0.97)。件数自体は小さく統計の幅も広いので「絶対に防げる」とまでは言えませんが、老化だけでなく命に関わるリスクの面でも、毎日塗る側にメリットがあったという重い結果です。
紫外線は肌の奥(真皮)のコラーゲンやエラスチンを壊し、シワ・たるみ・シミを進めます。これは加齢そのものより「光老化」と呼ばれ、見た目の老化の大きな部分を占めるとされます。しかも一度できたダメージは戻りにくい。だからこそ"浴びない"対策のコスパが高いのです。
「塗ってるのに焼ける」——実は"量"の問題
日焼け止めの効果を決めるのは、SPFの数字だけではありません。表示のSPFは「規定量(肌1cm²あたり2mg)を塗ったとき」の値。ところが実際の使用量を測った研究では、多くの人が規定量よりかなり少なく塗っており、実際の防御力は表示より下がると報告されています。
- 量をケチらない:顔なら「パール2粒分」が目安とよく言われます。薄いと数字ほど守れません。
- 塗り直す:汗・こすれで落ちます。屋外では数時間ごとの塗り直しを。
- 数字を上げるより、量とムラをなくす方が実効的です。
「飲む日焼け対策」はどうなの?
近年は経口タイプの製品も増えています。研究自体は存在します。たとえば経口のニコチンアミド(ビタミンB3の一種)を用いた大規模RCT(ONTRAC試験)では、皮膚がんの既往がある人で新たな非黒色腫皮膚がんが23%少なかったと報告されています。
経口成分の研究は「塗る日焼け止めの代わり」を意味しません。ONTRAC試験は皮膚がんの既往がある人が対象で、健康な人の美容目的とは前提が違います。また、同じHughesのRCTでは飲むβカロテンに肌老化を防ぐ効果は認められませんでした。基本は"塗る"、経口はあくまで補助——ここを取り違えないことが大切です。(※化粧品・サプリは、特定の効果を保証するものではありません。)
よくある質問
Q曇りの日や室内でも必要?
QSPFやPAは高いほどいい?
Q飲むタイプで代わりになる?
- 毎日の日焼け止めで肌老化が24%少なかったとRCTで報告(相対オッズ0.76)
- 同じ集団で浸潤性メラノーマも少なかった(3件 vs 11件)
- 効果を出すカギは「十分な量」と「塗り直し」。SPFの数字より量が効く
- 飲むタイプは塗る対策の代わりにはならない(補助)
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の化粧品・サプリメント・治療の効果を保証するものではありません。気になる肌の症状がある場合は皮膚科医にご相談ください。
参考文献
- 1. Hughes MC, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-90. doi:10.7326/0003-4819-158-11-201306040-00002. PMID: 23732711. PubMed
- 2. Green AC, Williams GM, Logan V, Strutton GM. Reduced melanoma after regular sunscreen use: randomized trial follow-up. J Clin Oncol. 2011;29(3):257-63. doi:10.1200/JCO.2010.28.7078. PMID: 21135266. PubMed
- 3. Chen AC, Martin AJ, Choy B, et al. A Phase 3 Randomized Trial of Nicotinamide for Skin-Cancer Chemoprevention. N Engl J Med. 2015;373(17):1618-26. doi:10.1056/NEJMoa1506197. PMID: 26488693. PubMed
- 4. Stokes R, Diffey B. How well are sunscreen users protected? Photodermatol Photoimmunol Photomed. 1997;13(5-6):186-8. doi:10.1111/j.1600-0781.1997.tb00227.x. PMID: 9542755. PubMed
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