ホームUV・日焼け止め / SPF・PAの選び方
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UV・日焼け止め 2026年7月24日 読了 約6分

SPF・PAって何?
日焼け止めの数字の正しい選び方

「SPF50+、PA++++」——日焼け止めのパッケージに並ぶ、この数字と+の意味、正確に説明できますか? じつはSPFとPAは、防いでいる紫外線の"種類"が違います。この記事では、SPFとPAが何を表すのかを論文にもとづいて整理し、「数字選びで本当に大事なこと」を正直にまとめました。
先に結論

SPF=UVB(赤み・日焼け)への防御の目安、PA(+の数)=UVA(光老化・シワたるみ)への防御の目安です。数字は高いほど防御が強くなりますが、上がり幅は数字ほど大きくありません。そして実際には規定量より薄く塗る人が多く、表示どおりの力が出ていないことが分かっています。だからこそ数字を上げるより、"規定量をムラなく塗り、塗り直す"ほうが効く。日常はSPF30〜50/PA+++で十分なことが多い、というのが実際的な結論です。

出典:Abdel Azim S, et al. Sunscreens part 1: Mechanisms and efficacy. J Am Acad Dermatol. 2025. PMID: 38772426

まず言葉の整理から。紫外線(UV)は波長のちがいで大きくUVAとUVBに分けられます。UVBは肌の表面で赤み・炎症・日焼け(サンバーン)を起こす波長。UVAは波長が長く肌の奥(真皮)まで届きやすく、シワ・たるみといった「光老化」に深く関わるとされています。SPFはUVBへの、PAはUVAへの防御の目安——つまり2つの数字は"別々の敵"に対応しているわけです。

SPFとPAは"別々の紫外線"を担当している
SPF=UVB(赤み・日焼け)の目安。PA=UVA(光老化)の目安。作用機序・防御の考え方は Abdel Azim 2025(総説)PMID:38772426 にもとづく整理。
SPF
UVBへの防御
(赤み・日焼け)
PA+の数
UVAへの防御
(シワ・たるみ)
2mg/cm²
表示の効果が出る
"規定の塗布量"
UVBを防ぐ割合(計算上・SPF30)
約96.7%
UVBを防ぐ割合(計算上・SPF50)
約98%

ここで大事なのが「数字を倍にしても、防御は倍にならない」という点。SPFの定義から計算すると、UVBを防ぐ割合はSPF30で約96.7%、SPF50で約98%。30から50へ上げても差はわずか約1ポイントです。つまり数字の大きさで安心を買うより、"表示どおりの力を出せているか"のほうが、はるかに実効に効くのです。

UVAを軽く見ると…

UVAは雲や窓ガラスをある程度通過し、季節による量の変動もUVBほど大きくないとされます。肌の奥まで届いてシワ・たるみ・色ムラなど「光老化」を静かに進めるのが特徴。赤くならないぶん自覚しにくいので、SPF(UVB)だけでなくPA(UVA)もそろえて守る——この視点が抜けると、日焼けはしていないのに老化だけ進む、ということが起こり得ます。

「数字が高いのに焼ける」——正体は"塗る量"

SPF・PAの表示値は、肌1cm²あたり2mg(規定量)を塗ったときに測定された値です。ところが実際の使用量を測った研究では、多くの人が規定量よりかなり少なく塗っており、実際の防御力は表示より下がると報告されています。数字は同じでも、薄く塗れば"別物"になってしまうということです。

出典:Stokes R, Diffey B. How well are sunscreen users protected? Photodermatol Photoimmunol Photomed. 1997. PMID: 9542755
数字選び・塗り方の要点

結局、どの数字を選べばいい?

ポイントは「シーンで使い分ける」こと。日常の紫外線対策なら、続けやすさを優先してSPF30〜50/PA+++程度でも十分なことが多いとされます。一方、海・山・スポーツなど長時間強い日ざしを浴びる日は、より高いSPF・PAで耐水性のあるものを選び、こまめに塗り直す。高い一本を"薄く一回"より、続けやすい一本を"規定量で塗り直す"ほうが、実効ははるかに高くなります。

大事な"読み方"のコツ:数字は"上限値"

SPF・PAは、規定量を塗った"理想条件"での値、いわばその製品が出せる上限の目安です。実際の使用ではそれを下回るのが普通。だから「高い数字を買った=守られている」ではなく、「規定量を、ムラなく、塗り直せているか」で実際の守りが決まります。数字は選ぶときの目安、効果を決めるのは塗り方——ここを取り違えないことが大切です。(※化粧品は、特定の効果を保証するものではありません。日焼け止めの効果や光老化の全体像は「日焼け止めって本当に意味あるの?」もあわせてご覧ください。)

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シーン別に選ぶ SPF・PAを"シーン別に使い分ける"ための日焼け止めをチェック
日常使い(SPF30〜50/PA+++)
通勤・買い物向け。続けやすさ重視でSPF/PA表示のあるもの
レジャー用(高SPF・高PA・耐水)
屋外・長時間向け。塗り直し前提で耐水性のあるもの
塗り直し用(スプレー・スティック)
"塗り直し"のハードルを下げる携帯タイプ
※価格・在庫は各サイトでご確認ください。上記は商品タイプ別の検索リンクです(広告)。特定商品の効果を保証するものではありません。
Q結局、数字選びでいちばん大事なことは何ですか?
A
運営者より(医療従事者・美容室オーナー)数字は"目安"であって"守りの保証"ではありません。SPF50を薄く一回塗るより、SPF30〜50/PA+++を規定量でムラなく塗り、塗り直すほうが、実際の守りははるかに上です。日常はこの帯で十分なことが多く、レジャーだけ数字と耐水性を上げる——この"使い分け"がいちばん効きます。※これは論文の内容にもとづく一般的な情報で、個別の診断・治療ではありません。

よくある質問

QSPFとPAは何がちがう?
SPFはUVB(赤み・日焼けを起こす波長)への防御の目安で数値で表され、PAはUVA(シワ・たるみなど光老化に関わる波長)への防御の目安で+の数で表されます。別々の紫外線に対応しているので、両方をそろえて守るのが基本です。
QSPFやPAは高いほどいい?
数値が高いほど防御は強くなりますが、上がり幅は数字ほど大きくありません。さらに実際には規定量より薄く塗る人が多く、表示どおりの効果が出にくいことが研究で示されています。日常はSPF30〜50/PA+++で十分なことが多く、数字を上げるより量とムラをなくすほうが効果的です。
Q日常使いにはどの数字を選ぶ?
通勤や買い物など日常の紫外線対策なら、SPF30〜50/PA+++程度で十分なことが多いとされます。海やレジャーなど長時間屋外にいる日は、より高いSPF・PAで耐水性のあるものを選び、こまめに塗り直すのが基本です。
まとめ
シーンに合う一本を

SPF・PAで選ぶ日焼け止めを探す

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の化粧品・サプリメント・治療の効果を保証するものではありません。気になる肌の症状がある場合は皮膚科医にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Abdel Azim S, Bainvoll L, Vecerek N, DeLeo VA, Adler BL. Sunscreens part 1: Mechanisms and efficacy. J Am Acad Dermatol. 2025;92(4):677-686. doi:10.1016/j.jaad.2024.02.065. PMID: 38772426. PubMed
  2. 2. Stokes R, Diffey B. How well are sunscreen users protected? Photodermatol Photoimmunol Photomed. 1997;13(5-6):186-8. doi:10.1111/j.1600-0781.1997.tb00227.x. PMID: 9542755. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。SPFの防御率は定義(1−1/SPF)にもとづく計算値で、効果量は原著で確認した内容のみを掲載しています。