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毛髪・頭皮 2026年7月24日 読了 約6分

フケ・かゆみが治らない…原因は"乾燥"だけじゃない?
脂漏性皮膚炎と頭皮の正体を論文で解説

「シャンプーを変えても、フケとかゆみが戻ってくる」——それ、乾燥や"洗いすぎ"だけの問題ではないかもしれません。フケや脂漏性皮膚炎の多くには、頭皮の皮脂と、そこに住む常在菌マラセチアの関わりが指摘されています。この記事では、系統的レビューなど信頼性の高い研究をもとに、正体と対策を正直にまとめました。
先に結論

フケ・かゆみ・脂漏性皮膚炎は、皮脂とマラセチア菌が関わって起こると考えられています。だから対策の中心は、保湿でも洗浄力アップでもなく、抗真菌成分などを配合した「薬用シャンプー」で頭皮環境を整えること。顔の脂漏性皮膚炎では外用が有効との系統的レビューがあり、頭皮でも同じ方向のケアが基本です。まず有効成分入りの薬用シャンプー、改善しなければ皮膚科——これが遠回りしないルートです。

出典:Gupta AK, Versteeg SG. Topical Treatment of Facial Seborrheic Dermatitis: A Systematic Review. Am J Clin Dermatol. 2017. PMID: 27804089

ポイントは、フケを「ただの乾燥」や「不潔」と決めつけないこと。脂漏性皮膚炎は、皮脂が多く出る頭皮・生え際・小鼻まわりなどに起きやすく、皮脂を好むマラセチアの働きが関与すると考えられています。つまり、うるおいを足すより、菌と皮脂のバランスに働きかけるほうが理にかなっているのです。

研究でわかっている"方向"
出典:Gupta 2017(顔の脂漏性皮膚炎の外用治療・系統的レビュー)PMID:27804089/Clavaud 2023(二硫化セレンと頭皮の菌叢・皮脂)PMID:37098773/Liang 2025(フケと頭皮菌叢の観察)PMID:41118316。数値ではなく方向性を示しています。
皮脂を好むマラセチアの関与
(フケ・脂漏性皮膚炎に関係)
有効
抗真菌などの外用
(顔の脂漏性皮膚炎・系統的レビュー)
再調整
二硫化セレンが頭皮の
菌叢・皮脂を整える方向

さらに近年の観察研究では、フケの重症度や性別によって頭皮の菌叢(マイクロバイオーム)に違いがみられることも報告されています。フケは一様な現象ではなく、頭皮の環境そのものが背景にあることを示す結果です。

出典:Liang B, et al. Dandruff scalp microbiome exhibits flake severity and sex-related differences. Br J Dermatol. 2025. PMID: 41118316
かゆいまま放っておくと…

かゆいからと爪でゴシゴシ掻くと、頭皮に細かい傷ができ、赤み・かさぶた・かゆみの悪循環に入りやすくなります。脂漏性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返しやすいのも特徴。だからこそ、刺激を足すより頭皮環境そのものを整えるケアを、症状が軽いうちから続けることが近道です。

対策の主役は「有効成分入りの薬用シャンプー」

脂漏性皮膚炎の治療で長く使われてきたのが、抗真菌成分です。なかでもケトコナゾールは、皮膚科領域での用途を整理した系統的レビューでも中心的に扱われており、脂漏性皮膚炎などへの外用が検討されてきました。

出典:Choi FD, Juhasz MLW, Atanaskova Mesinkovska N. Topical ketoconazole: a systematic review of current dermatological applications and future developments. J Dermatolog Treat. 2019. PMID: 30668185

ただし日本では、ケトコナゾールは主に医療機関で処方される薬です。市販(医薬部外品)の薬用シャンプーでは、ミコナゾール硝酸塩・ピロクトンオラミン・ジンクピリチオンなどを配合したものが選択肢になります。また、二硫化セレンは、頭皮の菌叢と皮脂のバランスを整える方向で働くと報告されています。

出典:Clavaud C, et al. Selenium disulfide: a key ingredient to rebalance the scalp microbiome and sebum quality in the management of dandruff. Eur J Dermatol. 2023. PMID: 37098773
薬用シャンプー選びの要点

市販ケアで足りる?——皮膚科に行くべきライン

薬用シャンプーはあくまで医薬部外品で、表示できるのは「フケ・かゆみを防ぐ」といった承認された効能の範囲です。脂漏性皮膚炎そのものを「治す」とうたう市販品はありません。次のような場合は、自己流を続けずに皮膚科へ。

こんなときは皮膚科へ

薬用シャンプーを数週間続けても改善しない/赤みやかさぶたが広がる・顔や体にも出るかゆみや痛みが強い——こうした場合は、抗真菌薬やステロイド外用など、医師の判断による治療が必要なことがあります。市販ケアと医療は「どちらか」ではなく、まず市販で整え、ダメなら受診という順番で使い分けるのが賢い方法です。(※化粧品・医薬部外品は、特定の病気を治療するものではありません。)

なお、成分ごとの位置づけや選び方をもっと詳しく知りたい方は、シャンプーの有効成分を格付けした記事もあわせてご覧ください。

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タイプ別に選ぶ "有効成分"で選ぶ薬用シャンプーを、タイプ別にチェック
フケ・かゆみ用の薬用シャンプー
医薬部外品。有効成分の表示があるものを
ミコナゾール/抗真菌成分配合タイプ
皮脂・マラセチアが気になる頭皮に
ジンクピリチオン配合タイプ
続けやすさ重視。日常のフケ・かゆみ対策に
※価格・在庫は各サイトでご確認ください。上記はタイプ別の検索リンクです(広告)。医薬部外品は「フケ・かゆみを防ぐ」効能の範囲で、特定の病気の治療を保証するものではありません。
Q結局、いちばん大事なことは何ですか?
A
運営者より(医療従事者・美容室オーナー)フケやかゆみを「乾燥のせい」と思って高い保湿ケアを重ねる前に、有効成分入りの薬用シャンプーで頭皮の菌と皮脂のバランスを整える——研究の方向性はこちらを支持しています。難しいことは要りません。やさしく洗い、有効成分を頭皮になじませ、続ける。それでも改善しなければ、遠慮なく皮膚科へ。市販と医療の「順番」を知っておくのがいちばんの近道です。※これは論文の内容にもとづく一般的な情報で、個別の診断・治療ではありません。

よくある質問

Qフケは洗いすぎ?洗わなさすぎ?
フケや脂漏性皮膚炎には、皮脂を好むマラセチアと皮脂の関わりが指摘されています。ゴシゴシ洗って刺激を与えるより、抗真菌成分などを配合した薬用シャンプーで頭皮環境を整える方向が研究で支持されています。
Q市販の薬用シャンプーで治る?
医薬部外品の薬用シャンプーは「フケ・かゆみを防ぐ」という承認された効能の範囲で役立ちます。ただし症状が続く・広がる場合は自己判断を続けず、皮膚科で相談してください。
Qどんな有効成分を選べばいい?
研究で検討されてきた有効成分には抗真菌のケトコナゾール(主に処方)、二硫化セレン、ジンクピリチオンなどがあります。市販ではミコナゾール硝酸塩やピロクトンオラミンなどを配合した薬用シャンプーが選択肢です。
まとめ
頭皮環境を整える一本を

有効成分入りの薬用シャンプーを探す

※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の化粧品・医薬部外品・治療の効果を保証するものではありません。フケ・かゆみ・赤みが続く、または悪化する場合は皮膚科医にご相談ください。

参考文献

  1. 1. Gupta AK, Versteeg SG. Topical Treatment of Facial Seborrheic Dermatitis: A Systematic Review. Am J Clin Dermatol. 2017;18(2):193-213. doi:10.1007/s40257-016-0232-2. PMID: 27804089. PubMed
  2. 2. Choi FD, Juhasz MLW, Atanaskova Mesinkovska N. Topical ketoconazole: a systematic review of current dermatological applications and future developments. J Dermatolog Treat. 2019;30(8):760-771. doi:10.1080/09546634.2019.1573309. PMID: 30668185. PubMed
  3. 3. Clavaud C, Michelin C, Pourhamidi S, et al. Selenium disulfide: a key ingredient to rebalance the scalp microbiome and sebum quality in the management of dandruff. Eur J Dermatol. 2023;33(S1):5-12. doi:10.1684/ejd.2023.4400. PMID: 37098773. PubMed
  4. 4. Liang B, Pu M, Xu YN, et al. Dandruff scalp microbiome exhibits flake severity and sex-related differences. Br J Dermatol. 2025;193(Suppl 2):ii32-ii39. doi:10.1093/bjd/ljaf099. PMID: 41118316. PubMed

出典はPubMed収載の書誌情報にもとづき、バンクーバー方式(ICMJE)で記載しています。本文の記述は原著抄録で確認できる範囲にとどめ、具体的な効果量の数値は掲載していません。