ブルーライト・可視光は肌に悪い?
スマホよりも"太陽の光"、シミとの本当の関係
青色光は、肌の色素をつくる細胞(メラノサイト)を刺激して色素産生を促すことが基礎研究で示されています。ただし——スマホやPCの画面から届く可視光より、太陽に含まれる可視光のほうが量は桁違いに多いのが現実。だからシミが気になる人がまず意識すべきは"画面"より"屋外の光"です。そして可視光対策としては、酸化鉄入り(色付き)の日焼け止めが理にかなうと研究で示唆されています。
この研究では、肌の色素細胞(メラノサイト)が「オプシン3(Opsin-3)」というセンサーを使って青色光を感じ取り、色素(メラニン)をつくる反応を強めるしくみが示されました。つまり「青色光→色素沈着」の入り口が、細胞レベルで説明されたわけです。ただしこれはヒトの細胞を使った基礎研究であり、「スマホを見ているとシミになる」と直接証明したものではない点は押さえておきましょう。
「青色光が色素をつくる」ことと「スマホでシミになる」ことは、イコールではありません。反応が起きるには"それなりの量の光"が要ります。日常の画面利用で浴びる可視光は、屋外で浴びる太陽の可視光にくらべればごく一部。気にする順番としては、屋外の光>>画面と考えるのが現実的です。
紫外線(UV)ばかりが注目されますが、可視光(青色光を含む)も色素沈着に関わることが分かってきました。特に色黒め・シミができやすい肌質の人では、可視光による色素沈着が残りやすいと報告されています。一般的なUV日焼け止めは可視光を通しやすいため、「UVは防げても可視光は素通り」という抜け穴が生まれやすいのです。
「青色光で色素沈着」——ヒトで確かめた試験
細胞の実験だけでなく、実際に人の肌に青色光を当てて色素沈着が起きるかを調べた比較試験もあります。ここでは、青色光の照射で色素沈着が誘発されること、そして特定の処方(スキンケア)を使うことでその色素沈着を抑えられる方向にあることが示されました。
この試験はランダム化比較(RCT)の設計で、青色光を当てた肌の色素沈着を評価したもの。「青色光は肌の色を濃くしうる」「対策で防ぎうる」という、実用面での手がかりになります。ここでも大切なのは、可視光は"防ぐ側の工夫"が効くということ。次に、その"工夫"の中心にある成分を見ていきます。
可視光対策のカギは"酸化鉄(色付き)"
紫外線を防ぐ成分(酸化亜鉛・酸化チタンなど)は、実は可視光はあまり止められません。そこで注目されているのが酸化鉄(アイアンオキサイド)。ファンデーションやBBクリーム、トーンアップ下地の"色"のもとになっている成分で、色がついているからこそ可視光を吸収・遮ると考えられています。
この研究(RCT)では、酸化鉄を含む色付きの日焼け止め処方が、可視光による色素沈着を抑える方向に働くことが示されました。対象は色素沈着が起きやすい肌質(skin of color)の人で、まさに"シミ・色ムラが気になる人"に近い層。透明タイプより、色のついたタイプのほうが可視光には有利——これが今わかっている、実用的なポイントです。
「ブルーライト=スマホが悪い」に話を寄せすぎないことが大切です。研究が示しているのは「可視光(青色光を含む)が色素沈着に関わる」ことと、「酸化鉄入りの色付き日焼け止めが可視光対策として有望」という2点。量が桁違いに多い"屋外の太陽光"を、色付きの日焼け止めで賢く防ぐ——ここに焦点を合わせるのが、いちばん費用対効果の高い考え方です。(※化粧品は特定の効果を保証するものではありません。)
よくある質問
Qスマホのブルーライトでシミができる?
Q可視光は普通の日焼け止めで防げる?
Q色素沈着が気になる人の選び方は?
- 青色光はメラノサイトを刺激して色素産生を促すことが基礎研究で示された(ヒト細胞実験)
- ヒトでも青色光の照射で色素沈着が起こり、対策で防ぎうるとRCTが示唆
- 可視光対策のカギは酸化鉄入り(色付き)の日焼け止め。透明タイプは可視光を通しやすい
- ただし画面より太陽の可視光のほうが量は桁違い。気にする順番は屋外>スマホ
※本記事は公開されている学術論文をもとにした一般的な情報提供であり、特定の化粧品・サプリメント・治療の効果を保証するものではありません。気になる肌の症状がある場合は皮膚科医にご相談ください。
参考文献
- 1. Regazzetti C, Sormani L, Debayle D, Bernerd F, Tulic MK, De Donatis GM, Chignon-Sicard B, Rocchi S, Passeron T. Melanocytes Sense Blue Light and Regulate Pigmentation through Opsin-3. J Invest Dermatol. 2018;138(1):171-178. doi:10.1016/j.jid.2017.07.833. PMID: 28842328. PubMed
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- 3. Dumbuya H, Grimes PE, Lynch S, Ji K, Brahmachary M, Zheng Q, Bouez C, Wangari-Talbot J. Impact of Iron-Oxide Containing Formulations Against Visible Light-Induced Skin Pigmentation in Skin of Color Individuals. J Drugs Dermatol. 2020;19(7):712-717. doi:10.36849/JDD.2020.5032. PMID: 32726103. PubMed
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